服に使う生地は天然繊維の方が良いのでしょうか。
確かに”着心地が良い”といわれる服にはシルクやカシミヤ、コットン、ウール、リネンなどといったの天然繊維が使われていることが多いです。
逆に化学繊維は安価な服に使われることが多く、静電気をためやすかったり肌あたりが良くなかったり、あまり良い印象を持っていない人もいるかもしれません。
もちろん、天然繊維の魅力である肌あたりや風合いといったところではポリエステルやナイロンといった化学繊維にまだまだ改良の余地がありますが、
化学繊維もその魅力が活きる使い方さえすれば、私たちの暮らしをもっと豊かにしてくれる大きな可能性を秘めた素材なのです。
化学繊維はそれを専門にするメーカーの開発によって日々新しい生地が生まれ続けています。
シワになりにくいもの、丈夫なもの、水を弾くもの、手入れのしやすいもの、価格の安いもの。
これまで当たり前だと思って受け入れていた不便を解決できるような機能性を持った生地まで。
Itheでも肌に直接触れることの多いインナーウェアには着心地に配慮した天然繊維を使ったモデルがいまだに多いですが、
それ以外のジャケットやコートには創業当時から優れた化学繊維生地を積極的に使っています。
服は毎日着るものである以上、動きやすくあるべきだし、丈夫で、汚れてもすぐに洗えて、それらを何度も繰り返せる方が良い。
そう考えるとすでに現代において「服に使われる生地は化学繊維の方が優れている」と言っても過言ではありません。
例えばItheが〈イザ コート〉でも採用している石川県の老舗生地メーカー、丸井織物が手がける〈NOTO QUALITY〉の生地はポリエステル100%でありながら、専門家が見てもほとんど見分けがつかないほどに天然繊維のような風合い。
その上で洗濯機で洗ったのちに脱水後部屋干し3時間で乾く速乾機能、自然なシワ加工によるノンアイロン機能、通常は洗濯をくり返すことで損なわれていくこれらの機能性も損なわれにくいという長寿命機能を兼ね備えています。
こうした化学繊維とItheが築いてきた普遍的なデザインを組み合わせることが、制服のように毎日着ることができ、手入れが容易く、さらには傷みにくい。
現代の”用の美”を持った服を作ることに繋がります。
かつては不便を楽しむこともファッションの一部とされていましたが、これからは服が日常生活における潜在的なストレスすらも解決してくれる時代がやってくるのかもしれません。それを実現してくれるのが化学繊維なのだと期待をしてやみません。